luvyduvyの日記

嬉々として散々な日々を。

マジカル・ガール

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どうも、スペインのサスペンス映画に大いなる期待を寄せている私です。

 

『マジカル・ガール』

 

最初はスペイン映画に“日本のアニメが好きな女の子が出てくるらしい”という情報に、なんとなく興味を持っていたんだけど、 よくよく調べたらなにこれ、サスペンスだし超おもしろそうじゃん!!!となり、一気に漲っておりました。

しかし公開からもう2年くらい経ってしまっていて、本当に楽しみにしていたのか?!と思われそうだ・・・。


日本のアニメ、「魔法少女ユキコ」が大好きな白血病で余命いくばくかの少女(アリシア)と、そんな娘の健気な願いを叶えたいパパ、ルイス。
アニメのキャラが着ている有名デザイナーがデザインした一点もののドレス(&ステッキ)が欲しいっていうのが願いごとノートの2頁目に書かれており、 そのためにパパが奮闘するんだけど、何人もがもらい事故をするというストーリー(雑)。

そりゃあ、叶えたいよ。ぜったいに叶えたい。

でもパパ、無職なんだ。

 

そんなわけで「実は娘がかくかくしかじか・・・支払は分割でうんぬん」なんて相談はせず(スペインってそんな冷たい国なの?)、
ひょんなことから一夜を共にしたお金持ちの夫をもつ女性(バルバラ)を脅してお金をせしめようとするんです。
このひょんなことはピタゴラスイッチぽくてちょっとおもしろかった。
それにしても、なんでなんだ・・・ルイス。

 

そしてバルバラは男性を惑わすファム・メンヘラ・ファタールなわけですが、彼女は自分の身体をもってお金を稼ぐのですね。
ここについてははっきりと描写しないことで、どんなプレイが繰り広げられたのか恐ろしく、観る側の想像力がたくましいと、こと切なく物悲しいです。

 


ところで、かつて映画の冒頭シーンは超重要だということに気づいてから、とにかく目に焼きつけておくようにしているのですが、 今回はパパ・ルイスが出てきたときに、「あれ、最初のひとと違くない?」となりました。

そうなのです、この最初のひとがまたキーパーソン。彼もまた、バルバラに人生を狂わされたひとりで、服役までしていたのです。

出所前の面談で「もう少し刑務所にいたい、バルバラに会うのが怖い」と言ってカウンセラー的なひとを困らせちゃうおじいさんですが、 映画なので当然、バルバラに再会してしまいます。
そして・・・。


***

全体的に暗くて悲しい物語。
メンヘラ、モラハラ気味の夫、無職のパパ、前科犯のおじいさん。
そんな中で、アリシアは本当に愛らしくって、この物語に一筋の光や希望をもたらす唯一の存在でした。
彼女の存在とそれ以外の明と暗がはっきりしていたので、大人になるって残酷なことなのね・・・という気持ちになりました。

無駄がなくすっきりしていて、多くは語らず。
とても気に入りました。