DETROIT
観ました、キャスリン・ビグローの最新作。
1967年のアルジェ・モーテル事件を題材にしていて、「おもしろかった!」とか「おすすめ!」と軽くは言えない。
なぜならものすごく疲れるから。でも観てよかったです。
143分なのでけっこう長い映画だけど、全体を通して退屈することはない。
前半が群像劇的な描き方であることと、中盤からトータル40分に及ぶ白人警官から黒人(民間人)への尋問シーンの緊迫感が全体をきゅっと引き締めているからでしょう。
閉ざされた空間で起こる暴力、圧力って本当に恐ろしいものだと思う。
程度が違いすぎるけど、むかしの職場で上司から個室に呼ばれて執拗に叱責されたとき、やっぱり怖かったもんな~。
人種差別の問題は根深いけど、やっぱりこの国にいるとあまり経験することがないように思う(ある国に対していろいろ言うひとは多いけど)。
そんな国に生まれて、このまま生きていけたらラッキーとは思うけど、常に闘うことを強いられる状況がいまもなおあるということには、もう少し自覚的にならなきゃいけないと思った。
いまでもたまにニュースで伝えらえるではないですか。
白人警官が両手をあげている無抵抗の黒人を撃ったとか、押さえつけて窒息させたとか。
50年経っても変わっておらず、アカデミーのノミネートにもあがらないと。
最後のほうにちょろっとgood copが出てきていたけど、そんなもんじゃ過去を否定せざるを得ない状況と割に合わん!ってか。