FOXTROT
すばらしい大傑作なので今年の上位にぐぐぐっと食い込んできましたね。
兵士の息子が死んだって?
それが誤報だってか?
んー、戦争ものってことは重苦しい話かなあ。
歴史的背景に詳しくもないし観るの躊躇しちゃう…
なんてことはない!
もちろん根底にあるんだけれど。
真っ向から描くのではなくて、見送った家族の日常から垣間見える戦争や戦地に送られたこども思う感情を緩急をつけて描いている。
かなりエンターテインメント性が高くて見応えがある作品。
息子の死を知らされて気絶する母と呆然とする父。
渦中にいる当人だって思い切り悲しみたいけど、あれやこれやと葬儀だの誰に連絡だのでそれどころじゃない。
そんななか、外野が泣き叫んだりするあの煩わしい気持ち。
ああ、わかる。わかりすぎる。
3部構成のうち、序盤は両親。
つぎが息子の日常で、最後が…。
息子のターンでは、序盤とはぜんぜん違う雰囲気になって、ともすれば青春映画にもなりそうなかんじ。
検問所でだらーっと任務についているゆるい時間、野生のラクダのためにバーをあげる描写なんかはくすっと笑えたし、FOXTROTのダンスシーンはかっこよすぎた。
本当に序盤とは別の映画みたい。
終盤についてはあまりいろいろ言えないな。
しかし本当に傑作なので、暗そうな映画だな〜とかって敬遠せずに観に行ってほしいであります。