クロニクル
ひだりから・・・
友達なし、父アル中、母闘病中の三重苦で孤独なアンドリュー。
校内人気NO.1のスティーブ。
明るい性格で情に厚い、しっかり者のマット(アンドリューのいとこ)。
物語は、謎の穴での体験から始まる。
好奇心から深い穴へ降りていった3人は水晶のような物体をみつけ、そこでテレキネシス能力を身につける。
初めはスカートめくりや水切りをして、わっきゃわっきゃしていたのだが、ある日煽ってきた後続車にアンドリューがいたずら心でパワーを使ったところ、車を池に沈める惨事に。
運転手を病院送りにしたことから、マットやスティーブから怒られるも、どこか上の空なアンドリュー。
この一件を機に少しずつ3人の関係がこじれていく。
その後、スティーブのお膳立てのおかげで学校でパワーを披露する機会を得、一時的に人気者になったものの長くは続かず、ここからアンドリューの転落が始まる。
じぶんがきっかけとなってスティーブが死んでしまったこと、疎遠になったマットとの関係・・・
追い打ちをかけるように、父親から暴力を振るわれ、挙句の果てに母を失う。
一時的な享楽から一気に孤独になったことで押しつぶされてきた自我が爆発!
自己顕示欲もあいまって自暴自棄に陥ったアンドリューが大暴れ。
結末はとても苦苦しいものだったけれど、友情をはぐくむ彼らの姿はとても美しかった。。
空を飛ぶこともできるようになった彼らが、卒業後にどこに行きたいかを話していたシーンで、「チベットに行きたい、チベットは美しいから」と言っていたアンドリューが、最後に街を破壊して怒りや悲しみを爆発させるなんて、なんと哀しいことだろうか。
<追記>
アンドリューがチベットに行きたい理由として小さく付け加えた言葉は、「平和だし」だった。