マイ・マザー
フランスの天才、グザヴィエ・ドランの初監督作品。
ちなみに主演までしている。
主人公(ユベール)と母親との不和を描くもので、ドランの半自伝的作品だそう。
母を愛しているのに顔を合わせれば喧嘩ばかり。
憎くて仕方なく、じぶんは息子に向いていないのかも、と思い悩む。
いわゆる反抗期というものを客観的にみて少しばかり心が傷んだけれど、親子とはいえ別々の人間なので抗えないものがそこには流れているように感じた。
憎みながら愛するのはとても体力が必要。
どうでもいいと思っていないから一挙手一投足に敏感になったり、気まぐれに歩み寄るも予想と違う反応に満足いかなかったり。
そんな2人の揺れ動く心と苛立ち、そして成長をドランらしい映像センスと音楽、台詞で描く。
ほとんど不機嫌なユベールも恋人の前では無邪気に笑うのが印象的だった。
ジャクソン・ポロックのドリッピングをマネしてじゃれ合う2人がそのままセックスするシーンとか、すごくエロスを感じたなあ。
来年2月には『胸騒ぎの恋人』も上映するそうなので、必ず観に行こうと思う。