luvyduvyの日記

嬉々として散々な日々を。

ハネケを観て、明日への活力なんか湧かない

f:id:luvyduvy:20180315194855j:image

 

 

ミヒャエル・ハネケの新作、『HAPPY END』を観てきた。
ハネケ作品に抵抗があるひとも、かなり観やすいのではなかろうか。

かくいう私は、大好きなのでうきうきだったわけですが、ハネケ作品を観ても明日への活力なんか湧くわけがない。

前作、『Amour』を観たときは、本当にどっと疲れてしまって、しばらく放浪の旅に出たいくらいの気持ちになった。
当時の私は仕事が忙しいシングル生活を謳歌していたので、「ひとはひとりで生きていけないのか・・・」という絶望が大きかったような。
そして今回も家族という集合体の不思議を感じた。

日本の映画で描かれる家族像とフランスはぜんぜん違うので、そこがおもしろかった。
放蕩息子はおいておいて(カラオケシーン超笑える)、13歳の少女に対する話しぶりも、いくらひさしぶりの再会とはいえどこか他人行儀。
おじいちゃんの「落ち着かないな、この子がいると」(少女を指さしながら)っていう反応、日本映画にはぜったい出てこないし、「お前の心が見えない」みたいなことを父親が言うシーンも、日本ならそんなはっきり言わないだろうし、オブラートに包んで遠回しな言い方をするのが日本らしい対話なんだなあと改めて思った。
どちらがいいとかではなく、そういう文化なんだと。  

 

 


ある会社が不祥事に際して、国内向けとグローバル向けにメッセージが公表していたのだけど、 日本語をそのまま英語に置き換える難しさを感じたと、言ってるひとがいて、ああ、なるほどなと思った。