luvyduvyの日記

嬉々として散々な日々を。

人生とは

そのむかし、「エッセイでも書いて気ままに暮らしたい」なんて、 すっとぼけたことを考えていた時期があった。
いまはさすがに性格的にも能力的にも絶対むりだとわかるけれど、 そのときは“会社で働く”イメージが具体的に湧かなかったのだ。
自分は毎日同じところに同じ時間にいることなどできっこない、と思っていたのだ。


自営業の親をもつ子はいくらでもいるだろうけど、 それでもだいたい親の仕事がなにか、聞かれれば答えられるものだろう。
わたしは、父親の仕事を知らずに生きてきて、いまだによくわからないままだ。
では、母親に聞けば済んだのだが、彼女もまた、あまり理解していなかったように思う。
うちの家は少し特殊だったのかもしれない。


そんな両親の下、具体的なイメージをもたないまま就職活動を始めた。

 

本が好きだったので編集者を目指そう。

 

それしかなくて、トータル15社ほどしか受験しなかった。
運よく、歴史のあるわりと大きな企業に内定をもらうことができたが、 社会人としての責任、なんてものを理解せぬまま入社式を迎え、 仕事はおもしろくなくて、私生活もうまくいかなくて、腐っていった。
やる気も能力も知識もなにもかもが不足していたのに、自分のせいだと気づけていなかったのだ。


結局3年弱で大企業勤めというカードを捨てて中小企業へ転職してしまったわけだが、 そのおかげで仕事をおもしろいと感じられるようになった。

この経験がもっと早ければ、まったく違う人生を歩んでいたんだろうと思う。


要所要所で少しばかりの後悔もあるわけだが、なにもかもやり直しがきかないから、 人生はおもしろいのだとも思う。